メリット&デメリット
透析看護師のメリット
透析看護師のメリットは、夜勤や残業が少ないことです。勤務時間が規則的なので、家事と仕事のバランスを考えながら働ける環境です。入院のないクリニックには休日出勤がないので、家族を持っている人でも予定が組みやすいのが魅力のひとつとなっています。透析患者は通院が日課なので、クリニック側も患者の入りをある程度予想できます。そのため、前もって希望を出せば休みも確保できます。
透析に関する基礎知識は、看護師であれば持っているものですが、透析現場で働く看護師はそれ以上の専門知識を身につけることができます。透析をしている患者との関わりも長く、多くの症例から学ぶこともあります。小さなクリニックの経験でも、透析の現場を知っていることは大きな強みとなるので、さらなるキャリアアップを目指すこともできるでしょう。
もうひとつの大きなメリットとして、透析看護師の仕事は体力的な負担が少ないことがあげられます。基本的にワンフロアでの業務で、体力を使うようなケアも必要なく、年齢に関係なく働けます。透析にはさまざまなリスクがあるため、透析中に患者の容体が急変することもありますが、他の看護師が常に近くにいるような環境下での業務なので、初めての透析看護でも安心して働ける場合がほとんどです。
透析看護師のデメリット
透析看護師のデメリットは、患者から辛くあたられる可能性が高いことです。イライラして怒鳴ったりクレーマーだったりと、患者の機嫌が悪くてスムーズに業務が進まないこともあります。そのような患者はどの診療科にもいるものですが、透析の場合は通院の頻度が多くて滞在時間が長いため、どうしても関わりが深くなりがちです。完治することはない病気で通院しており、透析は一生続けなければならない治療なので、嫌な患者でもお互いがそこにいる限りずっと関わり続けなければなりません。仕事とはいえ、嫌なことを患者から言われ続けるのは大きなストレスの原因になります。これに関しては、サイコネフロロジーと呼ばれるケア方法を取り入れている医療機関が年々増加しています。サイコネフロロジーとは、透析を受けている腎疾患の患者を、精神医学の面からもケアしていく医学分野です。透析を受け続けなければならない患者の心理的負担はかなりのもので、人によっては強い不安感やうつなどの症状が現れます。精神的に不安定な患者と医療関係者がトラブルになってしまうケースもあるので、一生続く透析治療を少しでも心穏やかに受けられるための心理ケアが必要なのです。
デメリットとして大きいのは、少しのミスが患者の死につながってしまうことです。透析装置の設定ミスやルート管理のミスは、起きてしまうと致命的な事態に発展します。体力的な負担は小さくても、心理的な負担は大きなものです。